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バキュームセンサーを使用しての進角補正

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エンジンにかかっている負荷が低い巡航時等に点火時期を進める事でより効率良い燃焼を行わせてパワーの向上に繋げる事が出来ます。
 
以前その効果についてはシャシーダイナモ上での実験を交えて検証して記事にもしています。
 
さて、低負荷時である事をイグナイターコントロールユニットに入力してやる方法としてはスロットル開度センサー(TPS)もしくは負圧センサーを使用します。
 
スロットル開度センサー(TPS)は、機械的にスロットル系(スロットルパイプやケーブルもしくはキャブレター本体のスロットル回転軸)に接続してアクセル開度を検出して、回転数に対しての開度からエンジンの負荷状態を予測して補正をかけます。
回転数の割にアクセル開度が少なければ、これは低負荷運転状態であるなと予測してやるわけです。
メーカーの市販車がインジェクション化される前のキャブレター車の場合、コスト面及び割と純正のCVKキャブレターと相性の良いこの機械式TPSが主流でした。
 
写真はKAWASAKIの純正キャブにK-TRICの名前で装着されていたTPS
イメージ 2
 
これは私がTPSとしてテストに使っていた回転角度センサー
イメージ 3
 
 
 
これに対して負圧センサーの場合は、マニホールド圧力を測定する事でダイレクトにエンジン負荷状態を検出して補正をかけます。
4輪車を含むインジェクション車の点火時期補正にはバキュームセンサーをメインに行っているものが多く、現行車は2輪車のラインナップのほぼ全てがインジェクション化されている量産普及効果もありバキュームセンサーは以前のものに比較しても驚くほど小型で高性能なものが以前より廉価に入手出来る様になっています。
イメージ 1
 
ちなみに負圧センサーはピエゾ素子を用いた圧力電子回路の為、機械式な摩耗による消耗が全く発生しません。又、接触式可変抵抗を用いたTPSに対して出力変位時にノイズが出難いというメリットがあります。
(ホール素子を用いた最新型非接触式TPSというものも存在します。寿命に関しては従来の接触式の10倍~100倍以上で、ノイズの問題も無く振動にも強いのですが、接触式に比べるとかなりのコストアップになります)
 
 
さて、Z用に販売されている点火システムの中でも、当社でもVer.PAMS仕様として専用マップをインストールして販売しているASウオタニのフルパワーキットはTPSを接続する事で点火時期補正が出来ます。
TPSを接続と言っても、あくまで電気的な電圧を入力していますので、システムの仕様に合わせた電圧信号を入れれば同様に補正が可能ですから当社では負圧センサーを接続する様にしてみました。
 
但し、負圧センサーからの出力電圧帯域はTPSのそれとは異なりますから、イグナイターへの入力は補正する様にします。
 
実験が終わりましたので、ハーネスの量産試作に入っています。
市販品にはステー等いくつかの部品を追加したり若干の手直しは入れますが、レイアウトはほぼこんな感じになります。
これにバキューム接続用のホースやジョイントが付属します。
イメージ 4
 
 
精密マイナスドライバーで、電圧校正やエンジンの圧縮比等による微調整も可能にしています。
この部分には防水性を考えて普段はシリコンキャップでカバーしています。
イメージ 5
 
 
又、これが最大のメリットなのですが、基本バキュームへのホースとユニットへの結線のみですから取り付け難易度が低く、純正や社外品を含めてキャブレターの種類を選ばない事だと思います。
 
当社のハイパフォーマンスヒューズシステムは、純正のメインハーネスに割り込み配線する事で、ヒューズを多系統化して簡易に信頼性を向上させるパーツですが、今回のバキュームセンサーシステムも、その思想を組み込んだパーツとなります。

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