昨日からの続きでヘッド組みの用意です。
ヘッドはFX1ですが、バルブとスプリングは同じ空冷Zからの純正流用です。スプリングに塗られた白い塗料でお分かりの方もいらっしゃるのではいかと思います。ただしバルブについては純正品質という安心感とビックバルブ化というメリットがある反面、バルブ長が本来の物より短くなる為にシートリング追い込み(カット)量が大きくなり、その結果燃焼室容積が増加し、そのままでは圧縮比が低下します。今回は使用するピストンのクラウンボリュームが大きくなる事を計算した上で帳尻が整う事になります。
バルブスプリングです。スプリングの先端を軽く丸めエッジ処理。リテーナー、スプリングシートとの接触面も軽く磨いてシート上での回転を少しでも助けてやります。
ヘッドに収まると、この様にスプリングとシートが密着するわけです。そしてスプリング伸縮時の捻じれによりスプリングは回転します。それにより余計なストレスがスプリングに掛からない様になります。
因みにこちらがメーカーより納品されたままの状態。かなりザラついているのが解ります。
OHの際に取り出された使用済みのスプリングシート。良く見るとスプリング先端がグッと食い込んだ痕がわかります。同時にスプリングが回転していたと思う擦れ痕も見当たりません。かと言って=スプリングが破断したりというトラブルに至る事はまずないとは思いますが、チューニングエンジンには定番のハイカム&強化スプリング仕様などでは気を配りたい所ではあります。
面白い動画を見つけました。見て頂きたいのは「1分30秒」辺りからです。BMW S1000RR のエンジンですが、高回転になるにつれ「バルブスプリングが回転」し始めるのが良く解ります。普段は見る事の出来ないエンジン内部ですが、こんな凄い仕事をしてくれてるんです。
作業中、ヘッドの上に虹が出ました。明日も良い事ありそうです。