各部品の手配で予定よりも大幅に遅れた作業進行となった1100RエンジンOH。ようやく手配のメドが立ち、組み立てに着手することが出来ました。
このエンジンも、開けてみると想像以上にダメージが及んだエンジンでした。
オーナーさんも回し上げる方なので、走行中大事に至らず良かったと思っています。
過去記事(下記リンク)を読んで頂ければ分かりますが、クランクシャフトも再使用は不可と判断し、USED品を探しましたが良品を見つけるのに大変苦労しました。なぜかMK2以降お約束にも近い確率で発生している位相ズレも無し。その他クランクセンターやロッド・サイドスラスト等も全てキッチリ基準値内に収まる良品です。
クランクもJ系Z系とも共用の出来ない1100R、絶対的な数が少ない上になぜか状態の悪い物が多く。ある意味、空冷Zというカテゴリーの中では維持に最も神経を使うモデルかもしれません。
仕上がったシリンダーヘッド。カムホルダーボルトの雌ネジが凄い事になっていて時間を取られました。
ヘッドも見た目にJ系と似通っていますが、燃焼室は多球形に。当然そのスキッシュ形状に合わせたピストンも専用品。ポート径やバルブ径もJ系に比べ大きくなっています。またリフターもインナーシムタイプとなり、STDカムシャフトも他モデルより作用角の大きな物を採用。カワサキの手掛けたチューンド空冷Zとも言えますね。ただ、それゆえに専用部品が多く、しかもその殆どが廃盤と来ていますから厳しいところです。
(記事中1100Rのみ当該車両)
安心して「開け切れる」1100R エンジンに蘇生させます。
NORI さん、お待たせしておりますが、今度はキッチリ行きましょう。