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SST?

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コンロッド小端部に通して、クランクの位相を簡易チェックする為のバーは割とポピュラーな物ですが、このカムラインに通すタイプのバーはあまり知られていないのではないでしょうか?

イメージ 1

言ってみれば単なる「鉄棒」なのですが、その直径をカムシャフトのジャーナル径で高精度に仕上げておりまして、この様にエンジンが車載状態であっても、カムシャフトだけ外してしまえばカムラインの簡易チェックが可能という大変便利な「鉄棒」なんです。

プラグを抜き、ハンドクランキング時に妙な渋さを伴うケースでは、このカムラインの異常が最初に疑われ、その際にはこの「鉄棒」が活躍します。

バーを通して、カムホルダーを規定トルクで締めてゆき、バーの回転が渋くなったり回らなくなったりすれば、カムラインに問題を抱えているヘッドという可能性がこの時点で高くなります。勿論カムシャフトでも構わないのですが、その場合はヘッド単体にてバルブが抜けている事、使用するカムに曲がり等なく、またジャーナル径が標準規定値内に収まっている事が前提です。

因みに、このTOOLですが社内通称「ぐりぐり棒」と言います。

そしてこのカムラインのズレなのですが、過去の事例から言って、他のヘッドからのカムホルダーと何らかの理由で本来の物と入れ違いになった事によって起こる場合が多いと認識しています。ズレ方の程度にもよりますが、酷い物ではカムメタルが流れてしまったり、焼き付いてしまったり。またそのレベルにもなると発生した強いフリクションによってアイドリングすら普通に打てなくなり、延々とセッティングやその他を疑うという魔のループにハマってしまう事もあります。

イメージ 2

画像は本邦初公開となるカムラインボーリングの作業風景です。縦堀りで作業を進めるため、ボーリングバーの自重による先端振れや落ち込みを解消した方法で加工精度をより高めています。

年々貴重になってゆく空冷Zとそのエンジン、そしてエンジンパーツ。今までにも増して、きっちりと本来のパフォーマンスを取り戻せる様なメニューの確立に力を入れたいと思っています。


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